木の香り? ハーブ? 漢方薬?


 フィトンチッドとは『木の香り』と最初に説明しましたが、お寿司屋さんを覗く場面
は、ワサビやらショウガやらが登場してきました。食生活に欠かせないフィトンチッド
では、香辛料としてコショウまで出てくる始末。少し混乱した方もいらっしゃるかも
しれませんね。
 最近は、生活の彩りに『ハーブ』を楽しむ方も多いようです。香りで部屋を飾った
り、料理やお茶に使ったり、となかなかの人気者ですね。
 このハーブはフィトンチッドとどう違うのでしょうか?
 また植物の根などを煎じて飲む『漢方薬』。これもフィトンチッドの一種と呼んでも
よいのでしょうか?
 ここでは、こうした疑問を整理してみましょう。





まずは木と草の違いから


 木も草も植物です。植物とは一か所に固定して生きていく生物です。木と草の
違いは、二次肥大成長をするかどうかです。つまり、木は毎年成長して大きくなり
ますが、草は1〜2年で地上部分は枯れてしまいます。なお余談ですが、『タケ』は
草ではなく木です。
 さてフィトンチッドは『植物』が『殺す』力です。ですからワサビやショウガの成分
だって立派なフィトンチッドなのです。ちなみにワサビはアブラナ科の、ショウガは
ショウガ科の多年草です。


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木が発散する香りだけがフィトンチッドではありません


 『フィトンチッドってなんだろう?』の項では、フィトンチッドのことを『樹木が作りだ
して発散する揮発性物質で主成分はテルペン類』と説明しました。誰でもよく知って
いる森林浴を例にとれば一番わかりやすいですし、なにより森林の香りの効用を
知って欲しかったからです。また、わたしたちにとってかけがえのない森林にもっと
親しんで欲しいという願いもありました。
 ところが、揮発性物質だけがフィトンチッドではないのです。テルペン類のうち、
モノテルペンやセスキテルペンは揮発性で香りを持ちます。いっぽう、ジテルペン、
セスタテルペン、トリテルペンは不揮発性です。
 これら不揮発性の成分もフィトンチッドですし、薬理作用を始めさまざまな働きを
持っていることがよく知られています。
 したがって広範囲な捉え方をした場合、フィトンチッドとは植物に含まれるあらゆる
物質で、他の生物の生活や行動に何らかの影響を与えるもの、と言えるでしょう。
これは『生物活性物質』と呼ばれます。また、フィトンチッドのうち、揮発性のものを
ボラクタンス』と呼ぶこともあります。
 このようにフィトンチッドは多種多様でその働きもさまざまなのです。


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ハーブも漢方薬もみんな仲間


 ハーブとは、『香草』もしくは『薬草』のことです。そして乾燥させたものが『スパイス』
と呼ばれるようです。もちろんフィトンチッドの仲間です。
 ただ単にフィトンチッドと言った場合には、森林浴のイメージが強いからでしょうか、
木材の香りを連想させ、ハーブと言うとラベンダーなどの花の香りを思い浮かべる
傾向があるようです。
 漢方薬は中国伝来の医術で用いられた薬です。乾燥させた薬草などを煎じて飲ん
だ経験がある方も多いでしょう。樹木や草の根、茎、樹皮などから得られる成分も
またフィトンチッドです。
 昔から、オオバコ、ヨモギ、クマザサ、ゲンノショウコ、セリ、タンポポ、ドクダミ、
ノビルなどは薬草としてその効能とともによく知られています。
 木の香り、ハーブ、漢方薬、もとはと言えばみんな仲間なのです。


森林の不思議な世界はいかがだったでしょうか?


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 フィトンチッド基礎講座(1)〜(5)、フィトンチッド応用講座(1)〜(6)を始め、さまざ
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