フィトンチッド応用講座 (2)

フィトンチッドの消臭作用


 『消臭』への関心が高まっていると言われます。ある意味では『抗菌ブーム』と通ず
るところがあるようです。わたしたちの身の回りにはさまざまな匂いがあって、完全に
無臭というわけにはいきません。なにしろ匂い物質は40万以上もあると言われている
のです。しかし身近な暮らしのなかでの『悪臭』はやはり厄介者です。けっして健康的
な生活とは言えませんね。
 ここでは、悪臭や消臭法について考えながらフィトンチッドの消臭作用について見て
みましょう。





そもそも悪臭とは?


 悪臭として代表的なものとしては、次の4つが挙げられます。

悪臭の種類
臭いの特徴

アンモニア

トイレや養豚場などで感じる刺激臭です。

硫化水素

卵の腐った臭いや温泉の硫黄(イオウ)の匂いです。

トリメチルアミン

魚が腐ったような独特の臭いです。

メチルメルカプタン

野菜が腐ったような臭いです。


 これらは『四大悪臭』と呼ばれています。
 日常生活での悪臭は、この4種類で8割以上を占めると言われています。そして
悪臭は濃度の低い『混合気体』の形で身の回りを漂っているのです。


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消臭と抗菌は表裏一体?


 このように悪臭の多くは、物が腐敗することで生じます。腐敗とは酸化によって起こ
る現象ですから、酸化防止作用や抗菌作用を持つということは、同時に悪臭の原因
を絶つことにつながるわけです。
 こうした意味で、消臭と抗菌はとても密接な関係にあります。
 フィトンチッドに限らず抗菌性を持つものは、複合機能として消臭効果を兼ね備えて
いると言えるでしょう。


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消臭の方法あれこれ


 それでは消臭の方法としては、どんなものがあるのでしょう。いろいろな方法があり
ますが、ここでは次のようにまとめてみましょう。

消臭法
消臭メカニズム

物理的吸着

活性炭、ゼオライト、炭などの多孔質が、悪臭成分を吸い取ります。

感覚的相殺

マスキング。別の強い匂いで悪臭を覆います。まぎらわす感じです。

オゾン酸化

オゾン(O)が悪臭成分を酸化分解します。

微生物分解

微生物が悪臭成分を栄養源として摂取し分解することで脱臭します。

化学的中和

悪臭成分を分子内に包みこみ、分解して無害化します。

燃 焼

悪臭成分を含むガスを高温(600から800℃)で酸化分解し無臭化。

水 洗

水溶性の悪臭成分を、水洗浄によって除去し、脱臭します。


 これらの方法にはそれぞれ消臭効果が認められますが、マイナス面もあります。
 たとえば、物理的吸着は、悪臭成分を飽和状態まで吸着してしまうと脱臭効果が
低下しますし、微生物分解は、悪臭の分解に時間がかかるのが難点です。
 燃焼の方法は、大量の燃料が必要となりランニングコストが問題となります。
 このように当然ながら一長一短がありますし、悪臭成分に対し得手、不得手もあり
ますので、これらの組み合わせによって消臭能力を高める工夫がなされているよう
です。
 安全面から見た場合では、オゾン酸化の方法は、細心の注意を払う必要があり
ます。そもそもオゾン(O)とは、簡単に言ってしまうと、酸素(O)にもう一つ(O)を
無理やりくっつけたものですから、不安定です。余分な(O)は他の(O)を奪ったり、
結合しようとします。こうして、悪臭成分を分解するわけです。しかし、わたしたちの
からだに入って酸素を奪うような働きをしたら危険です。一般にオゾンの空気中の
濃度が0.1ppmを超えると、鼻やのどを刺激して人体に悪影響を及ぼすと言われて
いますから、常に 0.05ppm以下に抑えるなど、取扱いは慎重にするべきでしょう。
 さてフィトンチッドは、上の表のどの方法にあてはまるのでしょうか。
 フィトンチッドの消臭作用は化学的中和によるものです。悪臭成分を分解し無害化
しますから、大変安全だと言えるでしょう。そして何よりも森林の空気のようなすがす
がしさを、わたしたちにもたらしてくれるのです。


* 参考文献

  • ここで提供している情報は、当センター発行の小冊子『やさしいフィトンチッドの
    はなし』の第2章部分から抜粋して掲載しております。
    参考文献については、下記をご覧ください。
小冊子『やさしいフィトンチッドのはなし』の参考文献


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